「矯正中でも歯を白くしたい」

「矯正を始めたら、以前より歯の黄ばみが気になってきた…」

そう感じていませんか?ワイヤーやマウスピースなど、矯正装置の種類によって、ホワイトニングの可否や効果、リスクは大きく異なります。

例えば、歯の表側ワイヤー矯正中にホワイトニングを行うと、ブラケット(装置)の周囲だけが白くなり、装置を外した後に深刻な**「色ムラ」**が発生するリスクが非常に高いことは、広く知られています。

一方で、裏側(舌側)矯正であれば、歯の表面は露出しているため、歯科医院でのオフィスホワイトニングが可能です。

そして、インビザラインなどのマウスピース矯正では、「取り外し可能なアライナー(マウスピース)をそのままホワイトニングのトレーとして使える」と説明されることがありますが、本当にそうでしょうか?

「どの方法が一番安全で効果的なの?」

「費用や期間はどれくらいかかる?」

と悩む方も多いはずです。矯正治療とホワイトニングという、専門的な歯科治療を両立させるには、装置ごとの注意点や最適なタイミングを熟知することが不可欠です。

ここで、この記事が最も強調しておきたい「重大な注意点」があります。

それは、「矯正用のマウスピース(アライナー)でホームホワイトニングを行う」ことは、本来推奨されるべき適切な使用方法ではない、ということです。

ホームホワイトニングジェルは、国の承認を受けた**「医薬品」です。医薬品には、その効果を正しく発揮させるための「用法・用量」が厳格に定められています。風邪薬を「用法・用量を守って正しくお使いください」と言われるのと同じです。

ホームホワイトニングジェルは、「専用に製作されたホワイトニングトレー」**で使用することが添付文書で求められています。矯正用のアライナーは、歯を動かすための装置であり、薬剤を保持する設計にはなっていません。

安易に「アライナーで代用できる」と説明することは、医薬品の適正使用の観点から問題がある可能性があります。

もしマウスピース矯正中に安全に歯を白くしたい、あるいは白さを維持したいのであれば、アライナーの不適切な使用ではなく、歯科医院で専門家が行う「オフィスホワイトニング」を定期的に受けることが、最も安全で確実な方法です。

誤った方法を選ぶと、痛みや知覚過敏、歯肉(歯茎)へのダメージといったトラブルだけでなく、薬剤が無駄になり、期待した効果が得られず、治療費用や期間の無駄にもつながりかねません。

このページでは、矯正装置ごとのホワイトニング対応状況や、世の中に溢れる「間違った常識」の危険性、そして安全な方法、費用、リスクまで、専門的な視点から徹底解説します。最後まで読むことで、あなたの「自分に最適な、安全な選択肢」が必ず見つかります。

矯正中のホワイトニングは可能?基本知識と矯正装置別の対応状況

矯正治療中でもホワイトニングを希望する方は多く、治療方法や装置の種類によって対応が異なります。歯列矯正では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、裏側矯正などさまざまな方法があり、それぞれホワイトニングの可否やリスク、注意点も異なります。

特に、矯正中は装置の存在によって歯磨きがしにくくなり、黄ばみや着色が進行しやすい状態です。だからこそホワイトニングへの関心が高まりますが、安全な方法を選ぶ必要があります。

下記の表で、主な矯正装置ごとのホワイトニング対応状況をまとめました。

矯正装置ホワイトニング対応可否主なリスク・注意点
表側ワイヤー矯正原則、非推奨(矯正治療後を推奨)深刻な色ムラ。薬剤浸透不足。ブラケット部分の黄ばみが残る。
裏側(舌側)矯正オフィスホワイトニングのみ可能歯の表面(唇側)は施術可能。装置に影響なく安全に行える。
マウスピース矯正オフィスホワイトニングは可能   (ホームは非推奨)アライナーの代用は不適切。 薬剤漏洩、効果不足、歯肉刺激のリスク。白くしたい場合は「オフィスホワイトニング」が最適(アタッチメント部分の色ムラに注意)。

1. 表側ワイヤー矯正中のホワイトニングのリスクと色ムラ問題

歯の表側(唇側)にワイヤーとブラケットを装着する最も一般的な矯正方法です。

この治療中にホワイトニングを行う場合、深刻な「色ムラ」が発生するのが最大のリスクです。

ワイヤーやブラケットが歯の表面に強固に接着されているため、ホワイトニング剤がその部分に浸透しません。

その結果、矯正終了後にブラケットを外した瞬間、装置があった部分だけが元の歯の色のまま黄ばんで残り、周囲だけが白くなるという、最悪の「マダラ模様」になってしまいます。

この色ムラを後から修正するのは非常に困難です。

また、矯正中は歯磨きが難しく、ブラケット周囲にプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。プラークが付着していると、そこも薬剤が浸透せず、さらなるムラの原因となります。

結論:表側ワイヤー矯正中のホワイトニングは、絶対に避けるべきです。

ホワイトニングを希望する場合は、必ず矯正装置をすべて外した「矯正治療後」に行いましょう。矯正中は、ホワイトニング効果を謳う歯磨き粉(研磨剤の強いものを避ける)でのセルフケアや、歯科医院での専門的なクリーニング(PMTC)で着色予防に努めるのが最善です。

2. 裏側矯正中のホワイトニング対応と推奨される方法

裏側矯正(リンガル矯正)は、歯の裏側(舌側)にワイヤーとブラケットを装着するため、歯の表面(唇側)は完全に露出しています。

そのため、歯の表面に対するホワイトニング施術は問題なく可能です。

薬剤が裏側の装置に付着する心配もなく、色ムラの心配もありません。この場合、最も推奨されるのは、歯科医院で行う**「オフィスホワイトニング」**です。

  • 推奨理由
    • 専門家(歯科医師・歯科衛生士)が、歯の状態を見ながら安全に施術を行います。
    • 高濃度の薬剤と専用の光照射器を使用し、短期間で効果を実感できます。
    • 歯肉の保護などを徹底するため、矯正治療で敏感になりがちな歯茎にも安全です。

矯正中でも見た目を気にされる方が選ぶ裏側矯正だからこそ、歯の表面の白さも同時に追求できるのは大きなメリットです。

3. マウスピース矯正(インビザライン)とホワイトニングの「大きな誤解」

マウスピース矯正(インビザラインなど)は、装置を取り外せるため、一見ホワイトニングとの相性が非常に良いように思われます。

実際に多くの情報サイトや、一部の歯科医院でさえ「マウスピース(アライナー)にホワイトニングジェルを入れて装着すれば、矯正とホワイトニングが同時にできる」と説明されているケースが散見されます。

しかし、これは医薬品の適正使用の観点から、本来推奨されるべき方法ではありません。

この「誤った常識」には、以下の重大な問題点があります。

  1. 目的が違う(形状の問題)
    1. 矯正用アライナーは、歯に精密な「矯正力」をかけるために設計されています。
    1. 一方、ホワイトニング専用トレーは、薬剤を歯面に均一に保持し、歯肉に漏れ出さないよう「薬剤を保持する」ために設計されています。(歯肉辺縁のフィット感や、薬剤の溜まり場(リザーバー)の有無が全く異なります)
  2. 薬剤の漏洩と刺激
    1. アライナーは薬剤を保持する設計ではないため、ジェルを入れると歯茎側に溢れ出しやすくなります。ホワイトニングジェルは医薬品であり、歯肉に長時間触れると炎症や痛みを引き起こす原因となります。
  3. 効果の減弱
    1. 溢れ出たジェルは唾液と混ざり、すぐに流されてしまいます。これにより薬剤の濃度が著しく低下し、期待したホワイトニング効果が得られません。
  4. 「添付文書」違反
    1. ホームホワイトニングジェルは「医薬品」です。その添付文書(取扱説明書)には、「歯科医師の指導のもと、専用のトレー(マウストレー)を使用して行う」旨が記載されています。矯正用アライナーの使用は、この**「適正な使用方法」から逸脱しています。**

安易に「アライナーで代用できる」と考えるのは、安全面でも効果面でもリスクが高い行為です。

マウスピース矯正中に歯の白さを維持・向上させたい場合の最適解は、歯科医院で「オフィスホワイトニング」を定期的に受けることです。(※第2章、第3章で詳述)

矯正中に「安全に」できるホワイトニング方法の種類と選び方

矯正中にホワイトニングを行うには、その方法が「医薬品」であるか「化粧品」であるか、そして「誰が」「どの器具で」行うかを正しく理解する必要があります。

方法適応矯正効果費用目安リスク・注意点
オフィスホワイトニング   (歯科医院)裏側矯正   マウスピース矯正   (矯正後はすべて可)高い   (即効性あり)2万~5万円/回専門家が管理するため安全。ただしアタッチメント部分は色ムラのリスクがあり、専門的技術が必要。
ホームホワイトニング   (歯科医院処方)矯正治療後   (マウスピース矯正中のアライナー代用は非推奨高い   (持続性あり)1.5万~3万円   (専用トレー+薬剤)**医薬品であり、必ず「専用トレー」が必要。**自己管理が重要。
セルフホワイトニング   (市販品・サロン)すべて可低い   (表面の着色除去のみ)1千~1万円程度「漂白」効果はない。研磨剤による装置の損傷に注意。

1. 歯科医院で行うオフィスホワイトニング(裏側矯正中・マウスピース矯正中・矯正後)

歯科医院で、国家資格を持つ専門家(歯科医師・歯科衛生士)が行うホワイトニングです。

  • メリット
    • 高濃度の「医薬品」ホワイトニング剤を使用します。
    • 専用の光照射器を使い、薬剤を活性化させ、1回(約60分程度)でも白さを実感できる即効性が魅力です。
    • 施術前に必ず歯肉を保護する薬剤を塗布するため、安全性が非常に高いです。
  • デメリット
    • 高濃度薬剤のため、一時的に知覚過敏(痛み)が出ることがあります。(矯正中は歯が動いて敏感なため、通常より感じやすい場合もあります)
    • 費用が他の方法より高額です。
  • 矯正中との相性
    • 裏側矯正:歯の表面がフルオープンなため、全く問題なく施術可能です。
    • 表側ワイヤー矯正:色ムラになるため不可能です。
    • マウスピース矯正最も推奨される方法です。 ただし、アタッチメント(歯につける白い突起物)が装着されている場合、その部分に薬剤が乗ると色ムラの原因になります。そのため、アタッチメントを精密に避けて薬剤を塗布する専門的な技術が必要になります。アタッチメントが少ない方、あるいは定期的なメンテナンスで一時的に外すタイミングなどに合わせて行うのが理想的です。

2. 自宅でできるホームホワイトニングの「正しい使い方」

ホームホワイトニングは、歯科医院で診断を受け、処方された「医薬品」ジェルを使い、自宅で行う方法です。

  • 正しいプロセス
    • 歯科医院で口腔内をチェック。
    • 歯型を採り、あなたの歯並びに合わせた**「ホワイトニング専用トレー」**を製作します。(※矯正用アライナーではありません)
    • 処方された薬剤(低濃度の過酸化尿素など)をトレーに注入し、毎日数時間装着します。
    • 約2週間~1ヶ月かけて、ゆっくりと内部から白くしていきます。
  • メリット
    • 低濃度の薬剤でじっくり作用させるため、知覚過敏が出にくく、透明感のある自然な白さになります。
    • オフィスホワイトニングより白さが後戻りしにくい(持続性が高い)とされます。
  • デメリットと重大な注意点
    • 「アライナーでの代用」という誤解:前述の通り、マウスピース矯正のアライナーは専用トレーの代わりにはなりません。
    • 医薬品としての自覚:これは「医薬品治療」です。用法・用量を守らなければなりません。「風邪薬を用法・用量を守らずに飲む」のと同じで、アライナーで代用することは、薬剤の効果を無駄にし、歯茎を痛めるリスクを高める行為です。安易に「できる」と説明する情報源には十分注意してください。

3. セルフホワイトニング(市販品・サロン)の効果と安全性

ドラッグストアなどで購入できるホワイトニング歯磨き粉や、セルフホワイトニングサロンでのケアです。

  • 効果の限界
    • これらは「化粧品」または「(一部)医薬部外品」の扱いです。
    • 歯を「漂白」する医薬品(過酸化物)は含まれていません。
    • 主な効果は、研磨剤や清掃剤(ポリリン酸など)による**「歯の表面の着色汚れ(ステイン)の除去」**です。
    • したがって、元の歯の色以上に白くなることはありません。
  • 矯正中との相性
    • 使用は可能ですが、注意が必要です。
    • 研磨剤(スクラブ)が強く配合された歯磨き粉は、矯正装置(特にプラスチック製のアライナーやアタッチメント)の表面を傷つけ、逆に着色や汚れが付着しやすくなる原因になります。
    • 選ぶ際は「低研磨性」「発泡剤が少ない」矯正専用の歯磨き粉を選ぶべきです。

【最重要】矯正装置別のホワイトニング実践ポイントと注意点

「いつ」「どうやって」行うのが最適解なのか、装置別に解説します。

1. ワイヤー矯正(表側)中の困難点と推奨タイミング

結論:ホワイトニングは「矯正終了後」がベストタイミングです。

ワイヤー矯正中は、装置が歯の表面を広く覆うため、ホワイトニングは不可能です。

「どうしても」と無理に行えば、ブラケットの下だけが四角く黄ばんで残る、悲惨な「色ムラ」を招きます。

矯正中は、ホワイトニングよりも**「着色させないケア」と「虫歯予防」**に全力を注ぐべきです。

装置を外した直後は、歯の表面に汚れがなく、歯並びも整っているため、ホワイトニング剤が最も均一に浸透するゴールデンタイムです。

矯正を頑張った自分へのご褒美として、治療完了後にオフィスホワイトニングや(専用トレーでの)ホームホワイトニングを行うことを計画しましょう。

2. インビザラインやマウスピース矯正中のホワイトニング【最適解】

前述の通り、巷で言われる「アライナーでホワイトニング」は推奨されません。

では、マウスピース矯正中に黄ばみが気になった場合の「最適解」は何か?

それは、歯科医院で「オフィスホワイトニング」を定期的に受けることです。

  • なぜオフィスホワイトニングが最適か?
    • 安全性:専門家が歯肉を保護し、医薬品を管理するため、アライナーで薬剤を漏洩させるより遥かに安全です。
    • 確実性:高濃度の薬剤と光照射で、短時間で確実に白さを回復(または維持)できます。
    • アタッチメントへの対応:最大の懸念点であるアタッチメント(歯につける突起物)による色ムラも、専門家であればリスクを最小限にできます。
      • アタッチメントを精密に「避けて」薬剤を塗布する技術。
      • アタッチメントが少ない、あるいは目立たない歯(前歯など)を中心に施術する。
      • 矯正の段階によってアタッチメントを付け替えるタイミングで実施する。
    • ホームホワイトニングの非効率性:仮に矯正中に「専用トレー」を別途製作しても、矯正治療で歯は日々動いています。数週間もすればトレーが歯並びに合わなくなり、結局作り直しが必要になります。これは非常に非効率です。

結論:マウスピース矯正中に白さを求めるなら、「不適切なホーム」より「適切なオフィス」です。 定期的なクリーニングと合わせ、歯科医院でオフィスホワイトニングを受けることが、最も賢明な選択です。

3. 裏側(舌側)矯正中のホワイトニング実践

裏側矯正は、矯正中のホワイトニングにおいて最も障害が少ない方法です。

歯の表面には何もないため、**「オフィスホワイトニング」**が問題なく行えます。

矯正治療と並行して、歯科医院で定期的にオフィスホワイトニングを受けることで、歯並びが整っていくと同時に、歯も白くなっていくという、理想的なプロセスが可能です。

3-4. リテーナー(保定装置)中のホワイトニング

矯正治療が完了し、歯並びを固定する「リテーナー」期間に入ったタイミングは、ホワイトニングの絶好のチャンスです。

  • 装置が外れている:歯の全表面に薬剤が均一に届き、色ムラの心配は一切ありません。
  • 最適な選択肢
    • 短期間で一気に白くしたい場合:オフィスホワイトニング
    • じっくり自然な白さにしたい場合:ホームホワイトニング(この場合も、リテーナーではなく「専用トレー」を製作します)

矯正装置を外し、歯並びが綺麗になった状態でホワイトニングを行うことで、治療の満足度が飛躍的に高まります。

矯正中のホワイトニングに伴うリスク・トラブル予防策

矯正治療中は、通常時よりも口腔内がデリケートになっています。リスクを理解し、予防策を講じることが重要です。

1. 装置の影響による色ムラや歯の黄ばみの科学的原因

矯正中に歯が黄ばみやすいのは、物理的に「磨き残し」が増えるからです。

  • プラークの蓄積:ワイヤーやブラケット、アタッチメントの周囲は非常に複雑な形状をしており、歯ブラシが届きにくくなります。ここにプラーク(歯垢)が蓄積します。
  • 着色のメカニズム:プラーク自体が黄色いだけでなく、プラークが残っていると歯の表面が粗造になり、コーヒーやカレーなどの色素が沈着しやすくなります。
  • 色ムラの発生:表側矯正中にホワイトニングを強行すると、プラークや装置で守られた部分に薬剤が届かず、それ以外の部分だけが白くなり、ムラが発生します。マウスピース矯正でも、アタッチメントの周囲に薬剤が均一に届かなければ、同様のリスクがあります。

2. ホワイトニングの副作用と痛みの発生メカニズム

ホワイトニングの一般的な副作用として「知覚過敏(痛み)」があります。

  • メカニズム:薬剤(過酸化物)がエナメル質の微細な隙間を通り、内部の象牙質(象牙細管)を通じて神経に刺激を与えることで起こります。
  • 矯正中と痛み:矯正治療中は、歯を動かすために歯の根の周囲(歯根膜)が炎症を起こしている状態です。歯そのものが非常に敏感になっており、通常時よりも知覚過敏が出やすい傾向があります。
  • 対策
    • だからこそ、自己判断でのセルフケアは危険です。
    • 歯科医師の管理下(オフィスホワイトニング)で、低濃度の薬剤から試す、知覚過敏抑制剤を併用するなど、慎重な対応が必要です。
    • アライナーからの薬剤漏洩は、歯肉の炎症だけでなく、知覚過敏のリスクも高めます。

3. トラブルを防ぐ日常の口腔ケアと歯科受診の重要性

矯正中のトラブル(黄ばみ、虫歯、歯周病)を防ぐ鍵は、日々のセルフケアとプロのケアの両立です。

  • セルフケアの徹底
    • 歯ブラシは「タフトブラシ(毛先が一点に集まったブラシ)」や「矯正専用歯ブラシ」を併用し、装置の周囲を徹底的に磨きます。
    • 「歯間ブラシ」や「フロス(スレッダー付き)」も必須です。
    • 歯磨き粉は、装置を傷つけない「低研磨性」で、虫歯予防効果の高い「高濃度フッ素配合」のものを選びましょう。
  • 定期的なプロのケア
    • 矯正治療中は、1〜2ヶ月に一度は歯科医院で「クリーニング(PMTC)」を受けましょう。
    • 自分では落としきれない装置周りの汚れや着色を、専門家が徹底的に除去してくれます。これが、矯正中の黄ばみ対策として最も効果的です。

矯正中ホワイトニングの費用・期間・効果の実態と比較

各ホワイトニング方法の費用相場と、矯正中という特殊な状況下でのコストパフォーマンスを比較します。

方法費用相場効果の実感度矯正中のコストパフォーマンス
オフィス   (裏側・マウスピース中)約20,000〜50,000円/回高い(即効性)(安全・確実な唯一の方法)   ただしアタッチメントのリスク管理は必須。
ホーム   (専用トレー使用)約15,000〜30,000円/セット高い(持続性)×(非効率)   矯正中は歯が動くためトレーが合わなくなる。
ホーム   (アライナー代用)(薬剤費のみ)低い・ムラ×(危険・効果なし)   薬剤が無駄になり、歯茎を痛めるリスク大。
セルフ(市販品)   (歯磨き粉など)約1,000〜5,000円低い(着色予防)△(やらないよりは良いが、過度な期待は禁物)
  • 最も賢い選択
    • (裏側・マウスピース矯正中)黄ばみが気になったら、歯科医院でオフィスホワイトニングを受ける。
    • 矯正中は、無理に「漂白」にお金をかけるよりも、「高濃度フッ素歯磨き粉」や「定期的なクリーニング」にお金をかけ、**現状維持(着色予防・虫歯予防)**に努める。
    • そして、矯正が完了した直後に、改めてオフィスまたはホームホワイトニング(専用トレー)を契約する。
  • 注意すべき選択
    • 「マウスピース矯正中だから」と、不適切なアライナー代用でホームホワイトニングを行うこと。これは薬剤を無駄にし、効果が出ず、歯茎を痛めるリスクがあり、費用対効果は最悪と言えます。

実際の体験談・口コミから見る矯正中ホワイトニングのリアルな成果

SNSや口コミサイトでの「成功例」と「失敗例」を分析します。

1. 成功例に共通する工夫と注意点

  • 成功例(裏側矯正+オフィス)
    「裏側矯正だったので、表側は気にせずオフィスホワイトニングができました。歯並びが綺麗になっていくのと、歯が白くなっていくのが同時に見られて、モチベーションがすごく上がりました。」
  • 成功例(マウスピース矯正+オフィス)
    「インビザライン中ですが、結婚式が近かったので相談したら、アタッチメントを避けてオフィスホワイトニングをしてくれました。自分では気づかない程度のアタッチメント周りはムラがあるかも、と言われましたが、前歯全体が明るくなって満足です。」
  • 成功例(矯正後)
    「表ワイヤーだったので、丸2年間は着色しないように歯磨きだけ頑張りました。装置が外れた解放感と同時にオフィスホワイトニングを受けたら、一気に見違える白さになり感動しました。待ってよかったです。」

成功例に共通するのは、「装置の特性を理解し、無理をしない」「**歯科医師の指導のもと、適正な方法(オフィスまたは矯正後の専用トレー)を選んでいる」**ことです。

2. 失敗例に学ぶ避けるべきポイントと対応策

  • 失敗例(表側ワイヤー)
    「どうしても黄ばみが気になり、自己判断で市販のジェルを塗ってみた。案の定、矯正が終わったらブラケットの跡がクッキリ四角く黄ばんで残ってしまい、本当に後悔しています。」
  • 失敗例(マウスピース矯正+アライナー代用)
    「歯医者で『アライナーにジェル入れていいよ』と軽く言われたのでやってみた。ジェルはすぐ唾液で流れてなくなるし、2週間続けても全く白くならなかった。おまけに、ジェルのせいでアライナーがヌルヌルして気持ち悪かった。」

失敗例のほとんどは、**「色ムラリスクの軽視」「不適切な方法(自己判断や、アライナーの代用)」**によって引き起こされています。

矯正中ホワイトニングに関するよくある質問(FAQ)

矯正中のホワイトニングに関する、特に多い疑問にお答えします。

Q1. ワイヤー矯正中にホワイトニングはできますか?

A. 表側ワイヤー矯正中は、色ムラになるため推奨されません。 矯正装置を外した「後」に行ってください。裏側(舌側)矯正の場合は、歯の表面が露出しているため、歯科医院でのオフィスホワイトニングが可能です。

Q2. 矯正中にホームホワイトニングはできますか?

A. 推奨されません。

ホームホワイトニングは「専用の薬剤保持トレー」で行う医薬品治療です。マウスピース矯正のアライナーは、矯正用の装置であり、薬剤用トレーとしては設計されていません。薬剤が漏れて歯茎を痛めたり、効果が著しく低下したりするリスクがあります。「アライナーで代用できる」という説明には、医薬品の適正使用の観点から注意が必要です。

Q3. 矯正してからホワイトニングはできますか?

A. はい、それが最も推奨される最適なタイミングです。 矯正装置がすべて外れ、歯並びが整った状態でホワイトニングを行うことで、薬剤が歯の隅々まで均一に浸透し、最も美しい仕上がりが期待できます。

Q4. 矯正中に歯を白くする方法はありますか?

A. はい、あります。推奨される順に以下の通りです。

  1. 歯科医院でのオフィスホワイトニング:裏側矯正中の方、またはマウスピース矯正中の方(アタッチメントのリスクを歯科医師が管理できる場合)に最適です。
  2. 歯科医院での定期的なクリーニング(PMTC):すべての方に必須の「着色予防」策です。
  3. ホワイトニング歯磨き粉の使用:日々のケアとして有効ですが、低研磨性のものを選んでください。

Q5. インビザラインでホワイトニングジェルは使えますか?

A. 医薬品の適正な使用方法としては、推奨されません。

前述の通り、インビザラインのアライナーは「矯正装置」であり、「薬剤用トレー」ではありません。薬剤(医薬品)の効果を正しく発揮させ、安全に使用するためには、添付文書に記載された通り「専用のトレー」を使用するべきです。安易に「使える」と説明する情報には注意してください。

Q6. 矯正中の黄ばみの対処法は?

A. 最も安全で確実な対処法は、歯科医院で定期的にクリーニング(PMTC)を受けることです。セルフケアでは、矯正装置専用の歯ブラシやタフトブラシを使い、着色の原因となるプラーク(歯垢)を徹底的に除去すること、そして色の濃い飲食を控えることが基本です。「漂白」したい場合は、Q4の回答の通り、歯科医院のオフィスホワイトニングを検討してください。

Q7. ホワイトニングと矯正、どちらを先にすべきですか?

A. 必ず「矯正」を先にしてください。

先にホワイトニングをしても、矯正装置を装着する際に歯の表面を処理したり、矯正治療中に着色が進んだりしては意味がありません。また、歯並びがガタガタの状態でホワイトニングをしても、重なった部分に薬剤が届かず、深刻な色ムラになります。

「①矯正で歯並びを整える → ②ホワイトニングで歯を白くする」 この順番が、美しさを手に入れるための鉄則です。

■医院概要

医院名・・・ さいわいデンタルクリニック モユクサッポロ院

所在地・・・ 〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西3丁目20番地 moyuk Sapporo 2F

電話番号・・・011-206-8440

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