インビザライン中にホワイトニングは可能？注意点を解説

「インビザライン中でもホワイトニングはできるの？」と疑問に思っていませんか。

マウスピース矯正とホワイトニングの併用は、多くの患者が関心を寄せるテーマですが、治療のタイミングやアタッチメントの有無によっては、思ったような効果が得られないこともあります。特に、色ムラや薬剤による知覚過敏など、注意点を知らずに始めてしまうと、かえって後悔するケースも少なくありません。

実際に歯科医院での施術では、ジェルの種類や濃度、使用方法が矯正段階によって変わり、保定期間中の処置と矯正中では選ぶべき方法が異なります。加えて、費用の目安や、医院と市販ジェルとの違いも気になるポイントではないでしょうか。

この記事では、インビザライン矯正とホワイトニングを同時に進めたい方に向けて、効果的な方法、タイミング、安全性の高い薬剤の選び方まで、専門的な視点で詳しく解説していきます。

読了後には、自分に合ったホワイトニング方法を選ぶ判断軸が手に入り、ムダな出費や時間を避ける確かな知識が得られるはずです。

インビザライン中のホワイトニングとは？同時施術の可否と注意点

インビザライン中にホワイトニングは可能？

インビザライン矯正中でもホワイトニングは可能です。ただし、通常の歯列矯正とは異なり、透明なマウスピースを装着するインビザラインには特有の注意点があり、適切な方法を理解せずに施術を進めてしまうと、白さのムラや思わぬ知覚過敏のリスクが生じる可能性があります。ホワイトニングを安全に、かつ効果的に進めるには、歯の状態や矯正の進行度、使用中のアタッチメントの位置や数など複数の要素をふまえる必要があります。

特に注意すべきは「アタッチメント」です。アタッチメントとは、歯の表面に樹脂を盛ってマウスピースとの密着性を高める突起のようなパーツで、ホワイトニング剤の浸透を妨げる場合があります。このため、アタッチメントがついている部分だけホワイトニングの効果が弱まり、全体として不自然な色ムラが生じるケースも少なくありません。

一方、インビザライン矯正に使うマウスピースは、その形状を活かしてホワイトニングジェルのトレーとして併用できるというメリットもあります。歯科医院によっては、インビザライン専用のホワイトニングジェルを用意しており、矯正と並行してホワイトニングを進めたい人向けの併用プランを提案しています。

しかし、市販のホワイトニング剤をマウスピースに自己判断で流用するのは非常に危険です。成分の濃度や粘度、滞留時間が適切でなければ、歯茎への炎症や強い刺激が発生し、インビザラインの治療計画に悪影響を及ぼすおそれがあります。必ず歯科医師の監修のもとで専用の薬剤を使用しましょう。

また、歯のホワイトニングには個人差があり、歯質や着色の状態によっては短期間で目立った効果を得るのが難しい場合もあります。こうした背景から、矯正治療の進行状況やアタッチメントの数・位置、着色の原因（コーヒーや紅茶、喫煙など）を見極めた上で、ホワイトニングを行う必要があります。

ホワイトニングが可能かどうかを判断する際のポイントを整理すると以下の通りです。

判定基準	対応可否	理由や補足
アタッチメントなし	可能	色ムラのリスクが少なく、ジェルが均一に浸透しやすい
アタッチメントあり	要相談	色ムラのリスクがあり、場所によっては効果が出にくい
知覚過敏の症状がある	注意	ホワイトニング薬剤で症状が悪化する可能性がある
医師の指導なしに市販薬剤を使用	不可	過度な薬剤濃度やマウスピース形状との不適合でトラブルの原因
歯の表面に白い汚れや着色がある	要処置	着色除去やクリーニング後にホワイトニングを行うべき

現在では、歯科医院によってはインビザライン治療中に適応できるホワイトニングメニューが整備されていることも増えており、相談すれば希望に沿った施術計画を立ててくれるケースも多くなっています。ただし、ホワイトニングの開始時期や回数、使える薬剤の種類などは医院によって異なるため、事前のカウンセリングを通じて自分に合った方法を選ぶことが大切です。

アタッチメントの位置や数が多いケースでは、矯正完了後の保定期間にホワイトニングを行う方が効果的で安全という判断になることもあります。インビザラインとホワイトニングを併用したい場合は、開始時点でその希望を歯科医師に伝え、治療計画に組み込んでもらうことで、無理のない進め方が可能になります。

見た目の印象を大きく左右する「歯の白さ」と「歯並びの美しさ」は、どちらも審美的な満足度を高める要素です。治療の途中であってもホワイトニングに取り組みたいと考える人は少なくありません。正しい知識と医師のサポートのもとで安全に取り組むことが、理想的な笑顔を手に入れる近道になります。

同時施術のリスクと適切なタイミングとは

インビザライン矯正とホワイトニングを同時に進める場合、最も気をつけなければならないのが「色ムラ」と「知覚過敏」のリスクです。特に矯正中の歯は移動に伴って歯根が刺激されやすくなっており、薬剤の浸透によって一時的に歯がしみる症状が起きることもあります。また、アタッチメントが装着されている場合、歯の表面に均一に薬剤が浸透せず、部分的に白さに差が出てしまうことも少なくありません。

さらに、歯の移動が進行している途中段階では、ホワイトニング効果が安定しにくいという問題もあります。位置が変わることで、マウスピースのフィット感が変化し、ホワイトニングジェルの密着が不十分になるためです。このような理由から、同時施術を希望する場合は「タイミングの見極め」が非常に重要になります。

適切なタイミングとして推奨されるのは、以下のようなケースです。

タイミング	推奨度	補足説明
矯正治療開始前	高い	アタッチメント装着前に行うことで、均一な白さが得られやすい
矯正治療の中盤（アタッチメントが少ない段階）	中程度	アタッチメント数や位置によっては色ムラのリスクを低減できるが、要医師相談
矯正治療の終盤	高い	歯並びがほぼ整っており、ホワイトニング効果を得やすい
保定期間	非常に高い	アタッチメント除去後であり、薬剤が均一に浸透しやすい。最も安全かつ効果的なタイミング

このように、治療の進行状況に応じて、施術の可否や注意点が大きく変わってくるため、自己判断で始めるのではなく、歯科医師との相談を通じて施術時期を計画することが不可欠です。

また、同時施術における薬剤の選定も極めて重要です。市販のホワイトニングジェルの中には高濃度の成分を含むものもあり、矯正中の敏感な歯には刺激が強すぎることがあります。そのため、歯科医院で処方されるマイルドな濃度のジェルを使用するのが理想的です。特に、マウスピース矯正と併用するために設計されたホワイトニングジェルは、粘度や成分バランスが最適化されており、歯に優しく、効果的な白さを引き出すことが可能です。

治療にかかる費用も、同時施術の検討においては大きな要素です。例えば、ホワイトニングを単独で行うよりも、インビザラインとセットで申し込むことで割引が受けられるケースもありますが、それはクリニックによって異なるため、事前の料金確認は欠かせません。

施術パターン	備考
ホームホワイトニングのみ	マウスピース利用、ジェルを自宅で塗布
オフィスホワイトニングのみ	医院にて照射器使用、即効性が高い
インビザライン＋ホワイトニング併用	矯正費用に加え、ホワイトニングをオプション追加で契約

知覚過敏や色ムラ、薬剤の相性といった複数のリスク要素を軽減するには、事前の診察と個別の施術計画が不可欠です。特にアタッチメントの位置や形状によっては、ホワイトニングの効果に大きな差が生まれるため、事前に歯科医師と進行中の画像やスキャンデータをもとに相談を行い、最適な時期と方法を選択することが必要です。

理想的な白さと歯並びを同時に手に入れるためには、計画性と専門家のサポートが不可欠です。インビザライン治療とホワイトニングを併用したいと考える場合は、どのタイミングで施術を行うのがベストか、今の自分の状態でどこまでの効果が期待できるのかを、慎重に判断して進めることが、美しく健康的な口元への第一歩となります。

インビザラインの保定期間のホワイトニング適応と注意点

インビザライン矯正の終了後、多くの患者が「次はホワイトニングをして歯を白くしたい」と考えます。しかし、保定期間中のホワイトニングにはいくつかの重要なポイントと注意点があり、適切なタイミングや方法を知らずに施術を進めると、期待通りの白さが得られないだけでなく、歯にダメージを与えてしまう可能性もあります。

まず、保定期間とは矯正治療終了後に歯の位置を安定させる期間を指します。リテーナーという透明のマウスピース型保定装置を装着し、歯並びの後戻りを防ぐことが目的です。この時期は歯の位置が安定していないため、薬剤が歯根に与える影響や、色ムラが出やすいといった課題も発生します。

特に、以下のような疑問を持つ方が多く存在します。

• 保定期間中にホワイトニングは可能なのか？
  
• 色ムラや後戻りのリスクはあるのか？
  
• 保定装置との併用に問題はないのか？
  
• 最適なタイミングと注意点とは？
  
• 歯科医院での管理はどこまで必要か？
  

これらの疑問に対して、以下に詳細なポイントをまとめます。

【保定期間中ホワイトニングのタイミングとリスク】

項目	解説内容
開始可能な時期	インビザライン矯正終了後、3週間以上経過してからが望ましい
リスク	歯の動揺が残っていると色ムラが出やすい／知覚過敏が発生しやすい
効果への影響	歯の再石灰化が完了していないと薬剤の浸透にムラが出る
装置の干渉	保定用マウスピースが薬剤と干渉する可能性があるため事前確認が必要

さらに重要なのが、マウスピース型のリテーナーとホワイトニング剤の相性です。多くの市販のジェルはホームホワイトニング用のトレーに合わせた濃度であり、リテーナー用に作られていないため、リスクが伴います。特に、リテーナーの厚みや密着性によっては薬剤が漏れ出し、歯茎に炎症を引き起こす可能性があります。

歯科医師の管理下での施術が推奨される理由は以下のとおりです。

• 歯の状態をレントゲンや視診で確認できる
  
• 適正なホワイトニングジェルを選定できる
  
• 色ムラが起きにくい使用法を指導できる
  
• 知覚過敏の発症リスクを事前に抑制できる
  

また、医院によっては「保定期間中のホワイトニングセット」を用意しているケースもあり、保定用リテーナーに合わせた濃度と粘度のホワイトニングジェルを処方してくれます。

最終的に、保定期間中のホワイトニング成功の鍵は、「開始時期の見極め」と「装置と薬剤の適正な選定」に尽きます。歯科医師とのカウンセリングで不安点を解消し、適したタイミングで施術を始めることが、安全かつ効果的な結果を導きます。

インビザライン中にホワイトニングしてはいけないケースとは？

避けたほうがいい歯の状態や症例

インビザライン矯正中にホワイトニングを検討する方は年々増加していますが、すべての症例に対して安全に施術できるわけではありません。歯の状態によってはホワイトニングを行うことで健康リスクや審美面でのトラブルを招く可能性があります。以下では、ホワイトニングを避けたほうがよいとされる具体的な歯の状態や症例を詳細に解説します。

まず最も重要なのは、歯の表面（エナメル質）が薄くなっているケースです。エナメル質が摩耗していたり、過去に研磨や漂白などを繰り返した影響で歯の保護機能が弱くなっている場合、ホワイトニングジェルに含まれる過酸化水素などの薬剤が内部に浸透しやすく、知覚過敏の症状を引き起こす可能性があります。とくに冷たいものや熱いものを口にした際に鋭い痛みを感じる方は、ホワイトニングによって症状が悪化するリスクがあります。

次に、虫歯や歯周病の進行が見られる方も注意が必要です。虫歯のある歯にホワイトニング剤が触れると刺激が強すぎて炎症を引き起こし、逆に歯の寿命を縮めてしまうことがあります。また、歯周ポケットが深い方や歯茎が後退している方は、歯の根元（象牙質）が露出しており、ここに薬剤が浸透すると強い痛みやトラブルにつながります。

さらに、アタッチメントの位置によってはホワイトニングの効果にムラが生じる可能性もあります。アタッチメントは歯の表面に樹脂を接着するため、ホワイトニング薬剤がその部分に均一に行き届かないことが多く、色ムラや斑点が残ることがあります。インビザライン矯正でアタッチメントの装着が多い方は、全体的な白さのバランスが崩れる可能性があるため、治療計画を担当医と綿密に調整することが大切です。

他にも、以下のような症例に該当する方はホワイトニングの施術前に慎重な判断が求められます。

歯の状態や症例	ホワイトニングを避ける理由
エナメル質の摩耗	薬剤の刺激による知覚過敏リスクが高まる
知覚過敏の既往がある	症状の悪化や施術中の強い痛みの可能性
虫歯や歯周病が進行している	刺激による炎症や治療の妨げになることがある
アタッチメントが多く装着	色ムラや薬剤が届かない部位が生じ、審美性に影響する
象牙質が露出している	痛みや薬剤の過剰浸透によるトラブルにつながる可能性

このように、ホワイトニングはすべての矯正患者に対して有効とは限らず、歯の個別状態によって判断すべき慎重な施術です。特にインビザライン中は、装置の使用や口腔内の変化により通常よりもデリケートな状態であるため、担当の歯科医師による事前診断を必ず受けましょう。安全性と美しさを両立させるためにも、自身の歯の健康状態を正しく知ることが、後悔のない選択につながります。

ホワイトニングによるトラブル事例と医師の判断基準

インビザライン治療中にホワイトニングを併用する患者が増加する一方で、トラブルの報告も少なくありません。とくに、アタッチメントの位置やマウスピースの着脱による物理的刺激、ジェルの種類や使用方法の誤りによって、施術後に問題が生じることがあります。ここでは、実際に起きたトラブルの事例と、歯科医師が施術可否を判断する際に重視するポイントを紹介します。

もっとも多いトラブルは、「知覚過敏の悪化」です。特にインビザライン矯正中は歯の移動が進行しており、歯根や神経が過敏な状態になっていることがあります。そこへ過酸化水素を含むホワイトニングジェルを使用すると、強い痛みやしみる感覚が続き、矯正治療に支障をきたすケースが報告されています。とくに自己判断で市販のホワイトニングキットを使用した場合、この傾向は顕著です。

また、アタッチメントによる色ムラや斑点が残るケースも頻発しています。アタッチメントはレジン素材のため、周囲の歯面と着色の進行具合が異なり、施術後に本来の白さが均一に見えない状態になります。この状態を見た患者が「効果がなかった」と誤解することも少なくありません。こうした見た目のトラブルは、事前に予測できる範囲であり、歯科医師からの適切な説明が不可欠です。

さらに、ホワイトニングジェルの濃度選定ミスによって、歯茎や粘膜に薬剤が付着し、炎症や白濁などの副作用が出ることもあります。ジェルを塗布したままマウスピースを長時間装着すると、薬剤が口腔内全体に広がり、意図しない部分に作用してしまうことがあるのです。このようなケースを避けるためには、ジェルの使用量、塗布位置、装着時間を明確に指導する必要があります。

歯科医師がホワイトニングの可否を判断する際には、以下の基準を慎重に確認しています。

医師の判断基準	チェック内容例
歯の健康状態	虫歯、歯周病、歯の摩耗、知覚過敏の有無
矯正治療の進行状況	アライナーの交換周期、アタッチメントの数や位置
使用予定のホワイトニング剤	濃度、成分、作用時間、安全性
患者のセルフケア習慣	ブラッシング、ジェルの使用法、食生活の影響
審美的ゴールの共有	白さの度合い、施術範囲、仕上がりイメージの確認

医師の判断基準は、患者の希望だけでなく、施術によるリスクと得られる効果のバランスを見極めた上で行われます。安全性を最優先としつつ、治療計画全体における施術のタイミングや方法を個別に最適化していく必要があるのです。

そのため、ホワイトニングを希望する際には、まず矯正専門の歯科医師に相談し、個々の歯の状態と治療ステージに応じた判断を仰ぐことが何よりも重要です。マウスピース矯正の特性を熟知した医師であれば、色ムラを避けるタイミングや安全な施術法を提案してくれます。

トラブルを未然に防ぐためには、自宅での自己流ケアを避け、専門的な診断と処置を受けることが、長期的な歯の美しさと健康を守る鍵となります。見た目の白さだけでなく、機能性や安全性を兼ね備えた施術を選択することが、納得と満足につながるでしょう。

アタッチメントの黄ばみや着色はなぜ起こる？原因と対処法

インビザラインのアタッチメントの着色原因と除去方法

インビザライン治療において、透明で目立たないマウスピースが選ばれる理由のひとつですが、治療に付随する「アタッチメント」と呼ばれる歯に装着される突起部分が黄ばんだり、着色したりすることで、見た目の清潔感が損なわれることがあります。着色は一時的なものとはいえ、矯正中の見た目に影響するため、多くの患者が気にする問題のひとつです。ここでは、着色の具体的な原因と、自宅でも取り組める除去方法について詳しく解説します。

アタッチメントとは、インビザラインの透明なマウスピース矯正を成功させるために、歯の表面に小さな突起として接着されるコンポジットレジン製の素材です。この素材は通常、歯の色に近い白系で目立ちにくいものですが、食生活やケア方法によっては簡単に着色してしまうことがあります。

以下のような飲食物・習慣が着色の主な原因です。

【着色を引き起こす代表的な原因】

原因物質	説明
カレー	ウコンに含まれる成分が強く歯やアタッチメントに染み込む性質がある
コーヒー	タンニンが着色原因となり、表面に沈着しやすい
赤ワイン	ポリフェノールの作用で黄ばみや紫がかった着色が起きることがある
お茶類	緑茶や紅茶に含まれる渋味成分が蓄積することで変色を促進
色付きの炭酸飲料	着色料と酸性の影響によりアタッチメントが劣化しやすい

これらの物質が、アタッチメントの樹脂に吸着・浸透することで黄ばみや茶色い着色となって現れます。特に食後すぐにマウスピースを装着する場合、アタッチメントへの色素沈着リスクはさらに高まります。

では、着色してしまったアタッチメントはどうすればきれいにできるのでしょうか。実は、歯科医院で専用のクリーニングを受けることが最も効果的な方法ですが、軽度であれば自宅でのケアでも改善が期待できます。

【自宅で可能な除去対策】

1. ホワイトニング用歯磨き粉の使用
   　市販されている「ホワイトニング歯磨き粉」には、表面の汚れを除去する研磨剤や酵素成分が含まれているものがあります。ただし、粒子の粗いタイプはアタッチメントや歯の表面を傷つける可能性があるため、歯科医師の推奨品を使用することが望ましいです。
   
2. 口腔内洗浄剤の併用
   　着色が軽度であれば、抗菌作用のあるうがい薬や洗口液でも改善が見込まれます。色素を分解する成分が含まれるタイプで、低刺激性のものを選びましょう。
   
3. 食後すぐのブラッシングと水分摂取
   　着色を防ぐ基本は、色素の付着を未然に防ぐことです。着色性の高い食事をした後は、速やかに水で口をすすぎ、歯磨きを行うことで着色のリスクを抑えられます。
   
4. 定期的な歯科でのメンテナンス
   　歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングでは、専用のポリッシング器具を用いてアタッチメント周囲の汚れを除去することができます。月に一度のメンテナンスを習慣にすることで、着色トラブルを事前に防ぐことが可能です。
   

なお、漂白剤や重曹などを自己判断で使用するのは避けてください。素材が劣化したり、接着力が弱まり脱落の原因にもなりかねません。

アタッチメントの見た目を保つことは、インビザライン矯正のモチベーション維持にもつながります。見た目に敏感な方や、ビジネスシーンで口元の印象を大切にしたい方は、上記のケアを毎日のルーティンに取り入れることで、清潔感のある白さをキープすることができるでしょう。

マウスピース自体の着色を防ぐためにできる日常ケア

マウスピース自体もまた、着色や白い汚れの原因となりやすい箇所です。透明であるがゆえに、少しの変色でも見た目に与える印象は大きく、特に外出時に装着する際には気になるという声が多く聞かれます。ここでは、マウスピース自体の変色を防ぎ、常に清潔な状態を保つための具体的な日常ケアを紹介します。

マウスピースの素材は、熱可塑性ポリウレタン系の樹脂が使われており、飲食物の色素や口内の汚れを吸着しやすい特性を持ちます。特に、適切な洗浄が行われていない場合、唾液中のたんぱく質や食物残渣が蓄積し、白っぽく曇ったり、黄ばみを伴うようになります。

着色防止において有効とされるケア手段を以下にまとめます。

【マウスピースの着色を防ぐための日常ケア】

ケア方法	詳細とポイント
マウスピース専用洗浄剤の使用	発泡タイプやタブレット型の洗浄剤で、色素・臭い・菌を同時に除去できるものが理想
毎回の装着前にブラッシング	口腔内の汚れを除去してから装着することで、マウスピースへの汚れ移行を防げる
装着中の飲食を避ける	飲み物の色素や糖分が付着し、細菌繁殖と着色を促進するリスクがある
常温の水でのこまめなすすぎ	乾燥や唾液中のたんぱく質付着を防ぐ基本的な習慣として有効
歯磨き粉は研磨剤不使用のものを選択	マウスピース表面を傷つけることで着色物質が付着しやすくなる

着色しにくいマウスピース生活を実現するには、洗浄剤の使い方や選び方も大切です。中でも「インビザライン専用クリーナー」や「オパールエッセンス製のタブレット洗浄剤」などは、素材に適したpHと除菌力を兼ね備えており、日々のケアとして評価が高い商品です。市販の漂白剤を流用することは素材を傷めるため避けましょう。

また、使用する歯磨き粉の選定も重要です。ホワイトニング成分を含んだ歯磨き粉の中には、微細な研磨成分が配合されていることがあり、これがマウスピースやアタッチメントの表面を傷つけて着色の原因になります。研磨剤フリーかつ酵素系洗浄成分が配合された低刺激の製品を選ぶようにしましょう。

定期的にマウスピースを交換することも、着色対策として有効です。インビザラインでは通常1週間から2週間ごとに新しいマウスピースへと交換されるため、強い着色が残る前に新品へ移行できるという利点があります。

患者自身の口腔内環境や生活スタイルによって最適なケア方法は異なりますが、毎日の積み重ねが透明感と美しさを保つ鍵になります。矯正中でも口元の清潔感を損なわずに過ごすために、ぜひ今日から実践してみてください。

まとめ

インビザライン矯正中や保定期間中にホワイトニングを検討する方は年々増えています。透明なマウスピースにより見た目の負担が少ない分、同時に歯の白さも手に入れたいという声が多く聞かれます。しかし、実際にはアタッチメントや保定装置が影響し、適切なタイミングや方法を見極めることが重要です。

例えば、インビザライン矯正中のホワイトニングは可能ですが、装置の形状や使用中の薬剤によっては色ムラや知覚過敏のリスクもあります。特に、ホームホワイトニング用ジェルの選択には注意が必要で、市販品と歯科医院専用ジェルでは濃度や浸透力が異なり、効果や安全性に差が生まれます。

保定期間においても、リテーナーの種類や使用時間によって、ホワイトニング方法は変わります。リテーナー専用ジェルを活用することで、日常的なケアと併せて白さを維持することができる反面、使い方を誤ると逆効果になることもあります。使用前には必ず歯科医師の指導を受けるようにしましょう。

矯正やホワイトニングはどちらも見た目と健康を大きく左右する医療行為です。単に白くするだけでなく、歯並び、アタッチメントの位置、使用するジェルの成分、ケアの方法まで考慮して計画を立てることで、より効果的かつ安全な結果が得られます。

今回の記事では、患者が安心してホワイトニングを取り入れられるように、医療現場での経験や専門的な視点から注意点と選び方を詳しく解説しました。必要以上の費用や時間をかけず、自分に最適な方法を見つけることが、後悔しない治療選びの第一歩です。

よくある質問

Q. インビザラインとホワイトニングを同時に行う場合、費用はどれくらいかかりますか？
A. インビザライン矯正とホワイトニングを同時に進める場合、施術内容や選択するホワイトニングの種類によって費用は変動します。一般的にホームホワイトニングであれば医院で処方されるジェルやマウスピース込みで約2万円から4万円程度、オフィスホワイトニングの場合は1回あたり3万円前後が相場です。ただし、矯正治療と併用する場合はパッケージ価格が用意されている歯科もあり、最大で1万円以上の割引が適用されることもあります。費用の透明性や支払いの柔軟性を重視したい方は、事前にクリニックへ相談し、治療計画に含めてもらうと安心です。

Q. インビザライン中のホワイトニングで色ムラになるのはなぜですか？
A. インビザライン中にホワイトニングを行うと、アタッチメントやマウスピースの影響で薬剤が歯の全体に均等に行き渡らないことがあり、これが色ムラの原因になります。特に前歯にアタッチメントがある症例では、その位置によって白くなる箇所とそうでない箇所に差が出る可能性が高く、視覚的にも不均一さが目立つケースが確認されています。歯科医師の判断によっては、矯正の進行状況を見ながら、ホワイトニングのタイミングをずらしたり、デュアルホワイトニングで調整したりする方法が推奨されます。

Q. 保定期間中にホワイトニングするなら、どのジェルが一番安全で効果的ですか？
A. 保定期間中のホワイトニングには、リテーナー専用に設計された低刺激性のジェルが適しています。市販のホワイトニングジェルは高濃度の薬剤を含む場合があり、知覚過敏や粘膜への刺激を引き起こすリスクがあります。一方、歯科で処方されるジェルは歯科衛生士が安全性と効果を確認したうえで提供されるため、保定装置との併用でも問題なく使用できます。実際、保定期間中にホワイトニングを希望する患者の約7割が、歯科専用ジェルを使用し、白さの維持に成功しているというデータもあります。

Q. 着色しやすい食べ物を控えれば、インビザライン中のホワイトニングはもっと長持ちしますか？
A. はい、カレーやコーヒー、赤ワインなどの着色性食品を避けることで、ホワイトニングの白さを長く維持することが可能です。とくにインビザライン矯正中はアタッチメントやマウスピースの素材に着色が付きやすく、毎日の飲食内容が結果に大きな影響を与えます。歯の表面がホワイトニング直後は薬剤の影響で一時的に敏感になっており、着色しやすくなるため、施術後24時間以内の食事選びには特に注意が必要です。歯科医師の指示に従ってケアを続けることで、効果を平均で2か月から3か月維持できるケースが多く見られます。

医院概要

医院名・・・さいわいデンタルクリニックmoyuk SAPPORO
住所・・・〒060-0062 北海道札幌市中央区南２条西３丁目２０番地 moyuk SAPPORO 2F
電話番号・・・011-206-8440